「まぶたがピクピクする」
「まぶたが勝手に閉じてしまう」
といった症状でお悩みの方、
それは眼瞼痙攣(がんけんけいれん)かもしれません。
進行すると日常生活に支障をきたすこともあり、早めの対処が大切です。
この記事では、眼瞼痙攣に対する鍼灸治療の可能性について、
標準治療であるボツリヌス療法との違いにも触れながら解説します。
眼瞼痙攣とは?
眼瞼痙攣は、自分の意思とは関係なくまぶたがけいれんしたり閉じたりしてしまう疾患です。
原因は完全には解明されていませんが、中枢神経(特に脳幹や視床)の異常が関与していると考えられています。
眼瞼痙攣の標準的な治療法
現在、眼瞼痙攣に対して医学的に確立されている治療法は以下の通りです:
- ボツリヌス毒素注射:まぶたの筋肉にボツリヌス毒素を注射し、けいれんを抑制する方法。即効性が高く、効果は数か月持続しますが、繰り返しの注射が必要になります。
- 内服薬:抗けいれん薬や抗不安薬が処方されることもありますが、効果には個人差があります。
鍼灸による治療とは?
鍼灸は、眼瞼痙攣に対する補助的な治療法として注目されています。特に次のような効果が期待されています:
- 眼輪筋の緊張を緩め、けいれんを和らげる
- 顔面神経や三叉神経の働きを整える
- 自律神経のバランスを調整し、ストレス要因を軽減する
臨床研究では、鍼灸によってまぶたのけいれんの頻度や強さが減少した症例が報告されています。
特に軽症〜中等度の方や、薬の副作用が気になる方にとっては、有効な選択肢となり得ます。
鍼灸でよく使われるツボ(経穴)
- 攅竹(さんちく):眉頭付近。目の周囲の緊張を和らげる。
- 魚腰(ぎょよう):眉の中央。まぶたのリラックスに。
- 太陽(たいよう):こめかみ周辺。眼精疲労や緊張緩和に。
- 合谷(ごうこく):手の甲。自律神経を整える万能穴。
- 風池(ふうち):後頭部。中枢神経の安定に働きかける。
鍼灸治療のメリットと注意点
メリット:
- 副作用が少なく、体にやさしい自然療法
- ストレスや全身の調整にも働きかける
- ボツリヌス治療と併用することで相乗効果が期待できる
注意点:
- 即効性は個人差があり、数回の継続が必要
- 医師の診断を受けた上で、補助療法として利用するのが理想
まとめ
眼瞼痙攣に対して、鍼灸は体にやさしい補助療法として有望です。
標準治療のボツリヌス注射が主流である一方、
自然療法を希望する方や副作用を避けたい方にとっては、鍼灸が有力な選択肢となるかもしれません。
当院では、眼瞼痙攣に対する鍼灸施術も行っております。
気になる症状がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。