<ポイントは原因がはっきりしているかどうか>個人的見解です
痛みで悩んでいるとき、
「ブロック注射」や「鍼治療」
という言葉を耳にするかもしれません。
どちらも痛みを和らげることを目的としていますが
そのアプローチや期待できる効果には大きな違いがあります。
1. ブロック注射とは?
ブロック注射は、主に整形外科やペインクリニックで行われる治療法です。
- 作用機序(どうやって効くのか)
- 神経の遮断: 痛みの原因となっている神経の周辺に、局所麻酔薬を直接注射することで、痛み信号が脳に伝わるのを一時的に「ブロック(遮断)」します。これにより、痛みを早く、強力に抑えることができます。
- 炎症抑制・血流改善: 多くの場合、局所麻酔薬に加えて炎症を抑えるステロイド剤が併用されます。また、交感神経の働きを抑えることで、血管が拡張し、血流が改善される効果も期待できます。これにより、痛みの悪循環を断ち切り、患部の回復を助けます。
- メリット
- 即効性:注射後すぐに痛みが軽減されるケースが多く、強い痛みを早く和らげたい場合に有効です。
- 痛みの診断: 注射が効くかどうかで、痛みの原因となっている神経を特定する診断的な役割も果たします。
- デメリット
- 根本治療ではない: 痛みを一時的に抑える対症療法であり、痛みの根本原因(姿勢の歪み、筋肉の緊張など)を解決するものではありません。
- 持続期間: 効果の持続期間は数時間から数週間と個人差があり、麻酔が切れると痛みが戻ることもあります。
- 副作用のリスク: まれに、注射部位の痛み、内出血、感染、神経損傷、局所麻酔中毒などの副作用が起こる可能性があります。特にステロイド剤の頻繁な使用は、骨粗鬆症などのリスクも考慮されます。
- 恐怖心: 注射に対する恐怖心を感じる方もいます。
2. 鍼治療とは?
鍼治療は、東洋医学に基づく伝統的な治療法で、鍼灸院で行われます。
- 作用機序(どうやって効くのか)
- 自然治癒力の活性化: 非常に細い鍼を特定のツボ(経穴)や筋肉、神経に刺激を与えることで、体が本来持っている**自然治癒力(自己回復力)**を引き出します。
- 鎮痛作用: 鍼刺激は、脳内で痛みを抑える物質(エンドルフィンなど)の分泌を促したり、痛みの信号伝達を抑制するメカニズム(ゲートコントロール説、下行性疼痛抑制系など)を活性化させます。
- 血流改善・筋緊張緩和: 鍼を刺すことで、その部位の血行が促進され、筋肉の緊張が緩みます。これにより、酸素や栄養が行き渡り、疲労物質や発痛物質が排出されやすくなります。
- 自律神経の調整: 鍼刺激は、乱れた自律神経のバランスを整える効果も期待できます。ストレスや不眠が原因の痛みや不調にもアプローチできます。
- メリット
- 根本改善を目指す: 痛みの原因となっている筋肉の緊張、血行不良、自律神経の乱れ、全身のバランスの歪みなど、根本的な問題にアプローチします。
- 副作用が少ない:薬を使用しないため、薬による副作用の心配がほとんどありません。適切な技術を持つ鍼灸師による施術であれば、安全性は高いです。
- 体質改善・未病へのアプローチ: 痛みの改善だけでなく、全身のバランスを整えることで、体質改善や病気になる前の段階(未病)へのケアも期待できます。
- もみ返しが少ない: 筋肉を無理に揉みほぐすわけではないため、強い刺激によるもみ返しのリスクが低いとされています。
- デメリット
- 即効性は個人差あり: 痛みの感じ方や症状の期間によって、効果の現れ方には個人差があります。ブロック注射のような劇的な即効性は期待できない場合もあります。
- 「響き」の感覚: 鍼がツボや筋肉に当たった際に、「ズーン」とくる独特の「響き」と呼ばれる感覚を感じることがあります。痛みとは異なりますが、慣れないうちは違和感があるかもしれません。
- 施術者の技術: 鍼治療の効果は、施術者の経験と技術に大きく左右されます。
まとめ:どちらを選ぶべきか?
- ブロック注射:
- 強い痛みや急性の痛みを早く抑えたい場合。
- 痛みの原因となっている神経を特定したい場合。
- 根本治療と並行して痛みをコントロールしたい場合。
- 鍼治療:
- 慢性的な痛みや原因がはっきりしない痛みを根本から改善したい場合。
- 薬に頼らず、副作用のリスクを抑えたい場合。
- 体質改善や全身のバランスを整えたい場合。
- もみ返しの心配なく痛みを和らげたい場合。
ブロック注射と鍼治療は、それぞれ異なるアプローチで痛みに対応します。
診断も兼ねることから、原因をはっきりさせるためにブロック注射を選択するのは賢明な判断だと思います。
コロナウイルス騒動の時にはっきりしましたが、人間って正体不明なものに恐怖心を覚えてしまいますから。
そして
- 効かなかった人
- 効いたけど2度と起こらないよう根本改善したい人(ブロック注射の場所や内容を覚えていたらこちらで病態は推測できます)
- 効果が一時的だった人
だったなら
鍼灸を選択するのもアリだと感じています。
またどちらか一方だけでなく、
症状や目的に応じて組み合わせて行うことが、
より効果的な痛みの管理と改善が期待できる場合もあります。
伊東市にお住まいで、
ご自身の痛みにどちらの治療法が適しているかお悩みでしたら、
(ドクターは忙しいから聞きにくいと言っている患者様も多いです)
ぜひ一度、城ヶ崎さくら並木の鍼灸院にご相談ください。
丁寧なカウンセリングで、あなたの症状に最適な治療計画をご提案させていただきます。