椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの骨の変形を伴うものや、おしりの筋肉が硬くなって起こるものなど

ともかく腰と脚がセットになって痛みがでたものを坐骨神経痛とよんでいますが

脚の痛む場所や範囲などによって別モノと考えて治療を行います。

当然治るまでの回数は大幅に変わってきます、違う病能として扱いますので。

一般的に骨の変形は時間がかかります、筋肉トラブルが原因ならそれよりは早く治ります。

背骨からくる坐骨神経痛には鍼パルス(はりに電極をつけて動かす)が本当によく効きます、どこにいても治らなかったのならばぜひお試しいただけたらと思います。

脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症とは、腰の神経の通り道が狭くなり(ほぼ加齢が原因)発症したもので、間欠跛行(歩いていると足腰に痛み・しびれや脱力が出現し、しゃがんで休むとまた歩行等が可能となる症状)が出現します。
また自転車は元気に乗れます。

脊柱管狭窄症の鍼灸治療

脊柱管狭窄症の症状の原因は、背骨を走る神経の通り道が狭くなって足の神経の血流が低下するためと考えられていて、神経血流を増加させることを目的にして施術します。

方法としては
1.夾脊穴刺鍼(腰の背骨まわりの鍼治療)

それで改善しないようなら

2.陰部神経鍼通電療法(おしりにある陰部神経付近に鍼をして電気的に刺激を与える)

3.神経根鍼通電療法(障害を受けた神経の近くまで鍼をして電気的に刺激を与える)

を行います。

この方法は論文があり、臨床的な有効性が認められている手法です。また当院でも改善実績が多いものです。

薬物治療、運動療法に比べて身体機能の回復、治療の満足度がすぐれていると報告されています。

ただし、医師から積極的に手術を勧められるようならば鍼治療よりそちらを優先していただければと思います。

一つ目の写真が1、二つ目が2と3を同時に行っています

こちらは背骨の神経血流を増やすための施術です。

動画は普通の腰痛ですが、脚が痛い場合は下肢が跳ねるように動くことがあります。

おしりの筋肉が固いことによる坐骨神経痛
(梨状筋症候群)

梨状筋はお尻の深部にある筋肉で、その下を坐骨神経が通っています。硬くなってしまったり緊張してしまうことで坐骨神経を圧迫し、症状を引き起こしている状態を「梨状筋症候群」と呼んでいます。

梨状筋が硬くなる原因は日常生活やスポーツなどで繰り返し負担がかかった場合や股関節の異常などがありますが、多くの方は原因が思い当たらないと言います。

鍼灸院ではおしりまわりのストレッチや押したりしてヘルニアや脊柱管狭窄症、股関節障害と区別します。

治療はおしり筋をやわらかくすること!それに尽きます。

写真の赤丸くらいの位置に長め(当院では7.5~9センチ)のはりをして筋肉をゆるめます。

また可能であるなら腰やおしりの他の部分、痛みの出ている脚に鍼治療をすれば治りやすいです。

坐骨神経痛を長年わずらっていると、原因が多数あるケースが目立ちます。おしりがやわらかくなっても腰や脚の筋肉が硬すぎて依然苦しむなど頻繁に見受けられます。

腰部椎間板ヘルニア

ヘルニアに関しては注射1本で治る「コンドリアーゼ」(商品名はヘルコニア)が2018年3月に保険適用されましたので、これからはその方法が主流になっていくかもしれません。

私が見た記事は下記にリンクを貼っておきます、また実施できる病院は「日本脊椎脊髄病学会」のホームページに掲載されているようです。

記事はこちら

パンフレットはこちら

 

椎間板ヘルニアの鍼灸治療

注射1回で治るならそちらがおすすめですが、副作用や適応外で使えない方もいらっしゃると思いますので鍼灸も少々書いていきます。

ヘルニアは背骨の間のクッション(水風船のようなもの)に圧力がかかり潰れて中身が出たもの。
その圧力を鍼で除去します、具体的にはその周囲に鍼を打ちます。

また腰以外の痛い場所にも鍼をしていきます、鍼の作用の1つに痛みを感じるセンサーを鈍くする(疼痛閾値の低下といいます)効果があります。