首から肩、腕にかけての痛みやしびれ。
「頚椎椎間板ヘルニア」と診断され、
リハビリや薬を試してもなかなか良くならない——
そんなお悩みをお持ちではありませんか?
実は、鍼灸によって症状が軽減したという報告がいくつかあり、
保存療法(手術以外の方法)の一つとして注目されています。
◆ 頚椎椎間板ヘルニアとは?
背骨の中でも首の部分(頚椎)の椎間板が飛び出し
近くの神経根を圧迫することで、以下のような症状を引き起こします。
- 首の痛み、こり
- 肩・腕のしびれや重だるさ
- 握力低下や細かい動作がしにくい
- 動かすと痛みが増す、寝ていても辛い
症状が軽度なら保存療法(投薬・牽引・安静)で様子を見ることが多いですが
回復に時間がかかったり、慢性化するケースもあります。
◆ 鍼灸はなぜ効果的とされるのか?
鍼灸は、筋肉の緊張を和らげ、神経の炎症を間接的に緩和することで、症状の軽減を目指します。
痛みを軽減するメカニズムは多岐にわたるため、単一の鎮痛効果になる投薬に比べてヒットしやすい特徴があります。
🔸 鍼灸で期待できる作用
- 筋肉の緊張を緩めて神経圧迫を軽減
- 血流を促進し、回復力を高める
- 自律神経のバランスを整える
- 内因性鎮痛物質(エンドルフィンなど)の分泌促進
◆ 実際の研究報告・データ
以下のような研究報告があります:
中国のRCT(無作為化比較試験)
エビデンスレベルの高い臨床研究において、鍼灸群は理学療法群よりも痛みや神経症状の改善率が有意に高かった
(Chinese Journal of Rehabilitation Medicine, 2020)
日本国内の症例報告
頚椎ヘルニアによる上肢の放散痛が、複数回の鍼灸施術で改善した例が鍼灸学会誌などに多数報告されています。
◆ よく使われるツボの例
- 天柱・風池: 首肩まわりの緊張を緩める
- 肩井: 肩こり・頭痛にも有効
- 阿是穴(圧痛点): 局所の痛みを抑える
- 合谷・曲池: 上肢のしびれ・炎症緩和
※ツボの選定は、患者さんの体質や症状の強さに合わせてオーダーメイドで行います。
◆ 鍼灸が向いているタイプ
- 保存療法では改善しにくい慢性的な症状
- 薬に頼りたくない・副作用が心配な方
- 冷えやストレスも感じている方
ただし、手足の筋力低下や歩行障害がある場合は、整形外科での精密検査・手術検討が必要です。
◆ 当院での対応
当院では、以下のような方針で施術を行います:
- 体全体のバランスと自律神経を整える
- 頚椎の患部近くの鎮痛を目的とした鍼(タップで画像)
- ストレッチや生活アドバイスも含めた総合的対応
◆ まとめ:首のつらさ、あきらめないで
頚椎ヘルニアは、長引くと生活の質を大きく下げる厄介な疾患です。
しかし、東洋医学的な視点から身体全体のバランスを整える鍼灸は、症状の緩和や再発予防にも役立つ可能性があります。
痛みを我慢せず、ぜひお気軽にご相談ください。
症状や不安なことがあれば、いつでもご相談ください。初めての方でも安心してご来院いただけます。