腰痛を東洋医学で読み解く
体質に応じた鍼灸アプローチとは?
「朝起きると腰が痛い」
「長時間の座り仕事で腰が重い」…
腰痛は多くの方が抱える悩みのひとつです。
現代医学では、椎間板や筋肉の問題として扱われることが多い腰痛ですが、
東洋医学(中医学)では体質や内臓の働き、気血のバランスを重視して診ます。
今回は、静岡県伊東市の鍼灸専門院「城ヶ崎さくら並木の鍼灸院」が、
中医学的に見る腰痛のタイプと、
それに対する鍼灸施術の考え方をご紹介します。
東洋医学では「腰」は腎の府とされる
中医学では、腰は「腎(じん)」という臓腑と深く関係するとされます。
腎は現代の腎臓の概念より広く、
生命エネルギーの源であり、腰の支えでもあります。
このため、腎の働きが弱ったり、気血の流れが滞ったりすると
腰に痛みや重だるさが出やすくなるのです。
中医学における腰痛の代表的なタイプ(証)
① 腎虚(じんきょ):エネルギー不足タイプ
- 症状:慢性的な腰のだるさや力の入らない感じ、足腰の冷え、頻尿
- 原因:加齢や過労により「腎精」が不足し、腰を支えられなくなっている
- 主なツボ:腎兪、命門、大腸兪
- セルフケア:温める、睡眠をしっかりとる
② 寒湿(かんしつ):冷えと湿気が原因
- 症状:冷えにより痛みが悪化、重だるく雨の日に悪化しやすい
- 原因:寒さや湿気の影響で、気血の流れが滞っている
- 主なツボ:腰陽関、腎兪、三陰交
- セルフケア:入浴、冷飲食を控える
③ 気滞血瘀(きたいけつお):ストレスや血流不良による痛み
- 症状:鋭い痛み、同じ場所がいつも痛む、押すと痛みが強くなる
- 原因:気や血の流れが滞って、老廃物が溜まっている
- 主なツボ:委中、阿是穴、血海
- セルフケア:軽い運動、ストレッチ
④ 湿熱(しつねつ):体内の熱と湿の滞り
- 症状:痛みが熱っぽく、ズキズキと重たい。尿が濃く臭いが強いことも
- 原因:体内に湿と熱がこもり、下半身に影響している
- 主なツボ:次髎、陰陵泉、太谿
- セルフケア:辛い物・脂っこい食事を控える
中医学の腰痛治療は「根本改善」と「再発予防」が目的
鍼灸治療では、腰を直接刺激するだけでなく、腎・肝・脾などの働きを整え、全身のバランスを取ることで腰痛の根本原因にアプローチします。
その結果、痛みの軽減だけでなく、疲れにくい身体づくりや再発の予防にもつながります。
まとめ:腰痛は体からのサインです
「腰が痛い」と感じるとき、
それはあなたの体が「少し休んで」「冷えているよ」と
教えてくれているサインかもしれません。
静岡県伊東市の「城ヶ崎さくら並木の鍼灸院」では、東洋医学の理論に基づいて、
体質や生活スタイルに合わせた腰痛治療(鍼灸総合コース)を行っています。
(部分コースは東洋医学的施術は行っていません)
慢性的な腰の不調でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。