「腕が横に上げにくい」
「肩の奥がズーンと痛い」
「肩を動かすたびに違和感がある」
「野球、バレーボールができない」
そんな症状の背景に、
肩甲上神経(けんこうじょうしんけい)
という神経のトラブルが隠れていることがあります。
本記事では、肩甲上神経の役割や、問題が起きたときの症状、
そして鍼灸での対応方法についてわかりやすくご紹介します。
肩甲上神経とは?
肩甲上神経は、首から出て肩に向かう神経のひとつで、
- 棘上筋(きょくじょうきん)
- 棘下筋(きょくかきん)
という2つの筋肉を動かすために働いています。
この筋肉たちは、
肩を横に広げる(外転)
腕を外側に回す(外旋)
といった動きに関係しています。
また、肩甲骨周囲の感覚にも少し関与しています。
肩甲上神経にトラブルが起きると?
神経が筋肉の間で圧迫されたり、炎症を起こすと
「肩甲上神経障害」という状態になります。
その結果、次のような症状が出ることがあります。
- 肩が重だるく痛む
- 腕を横に上げにくい
- 肩の奥の鈍痛
- 背中や肩甲骨まわりの違和感
- 筋肉がやせてきた(筋萎縮)
スポーツ選手、重い荷物を頻繁に持つ方、パソコン作業が長い方などに見られることがあります。
鍼灸でできること
鍼灸は、筋肉の緊張をゆるめたり、血流を改善することで、神経のはたらきを助ける施術法です。
肩甲上神経障害に対する鍼灸のポイント
- 棘上筋・棘下筋への鍼
→ 筋肉の緊張をやわらげて神経の圧迫を減らします - 肩甲上神経の通り道への刺鍼
→ 血流や神経伝達を促進し、症状を軽減します - 肩関節まわりの可動域改善
→ 筋肉のバランスを整えることで、肩の動きが楽になります
また、慢性的な痛みには、自律神経の調整を目的とした全身への施術も有効です。
まとめ
肩甲上神経はあまり耳慣れないかもしれませんが
肩の動きや痛みに大きく関係する重要な神経です。
「なんとなく肩が痛い」
「腕が動かしにくい」
と感じたときは、神経へのアプローチも視野に入れてみるとよいでしょう。
当院では、肩甲上神経障害にも対応した丁寧な問診と、的確な鍼灸施術を行っています。お気軽にご相談ください。