「私、風邪を引いたとき、桔梗湯がすごく効くのよ。鍼でも同じように喉の腫れを引かせられるの?」
ご来院いただいた患者様から、このようなご質問をいただきました。
桔梗湯は、喉の痛みや腫れに特化した漢方薬ですが、
結論からお伝えすると、鍼灸でも桔梗湯と似た作用を、別の角度から引き出すことが可能です。
今回は、桔梗湯の作用と、鍼灸がどのように喉の不調にアプローチするのかを解説します。
桔梗湯(ききょうとう)の主な作用と注意点
あくまで私は医師でも薬剤師でもないので、一般的な知識としての内容です。
桔梗湯は、「桔梗」と「甘草」の二つの生薬のみから成るシンプルな漢方処方で、主に喉の痛みや腫れ、炎症を鎮めることに特化しています。
- 抗炎症・鎮痛作用: 喉の腫れや赤みを鎮め、ヒリヒリとした痛みを和らげます。(主に甘草による作用)
- 排膿作用: 喉の奥に溜まった膿(炎症による滲出物)の排出を助けます。(主に桔梗による作用)
- 去痰作用: 痰の切れを良くし、喉の不快感を軽減します。
桔梗湯の注意点
桔梗湯は副作用が少ないとされますが、主成分である甘草の多量摂取や長期連用により、むくみや血圧の上昇といった「偽アルドステロン症」の副作用を引き起こす可能性があります。
そのため、医師や薬剤師の指導のもと、服用することが大切です。
鍼灸治療による喉の痛み・腫れへのアプローチ
桔梗湯が「生薬の成分」で炎症を抑えるのに対し
鍼灸は「身体の自己治癒力」に働きかけることで、喉の症状を改善します。
1. 局所と遠隔からの鎮痛・抗炎症
鍼で喉周りの筋肉の緊張を緩めるとともに、合谷(ごうこく)や尺沢(しゃくたく)といった全身のツボを使って、身体がもともと持っている天然の鎮痛物質(エンドルフィンなど)の分泌を促します。
これにより、痛みや炎症を内側から沈静化させます。
2. 血行促進と免疫力調整
鍼の刺激は、喉の患部やリンパ節周辺の血行を劇的に改善します。
血流が良くなることで、炎症物質や老廃物が排出されやすくなり、免疫細胞が活発に働く環境が整います。
これにより、腫れや炎症の治りが早まります。
3. しっかり刺激(ほんの小さな灸痕が残る)の電気のお灸(N灸)による深部加温
当院では、しっかり刺激(ほんの小さな灸痕が残る)の電気のお灸(N灸)を、首や背中のツボに使用し、深部から身体を温めます。
これにより、風邪などで乱れた自律神経を整え、身体全体の免疫力を高めて喉の不調を根本からサポートします。
この温熱刺激が身体に働きかけ、治癒力を大きく引き出します。
桔梗湯と鍼灸治療の相違点(メリットとデメリット)
結論:鍼灸は「長引かせたくない」あなたに最適
桔梗湯があなたの喉の症状をピンポイントで抑えてくれるなら、
鍼灸は「そもそも風邪を長引かせない」「次になりにくい身体にする」という体質改善の面で力を発揮します。
当院では、あなたに桔梗湯が効く理由(どのような体質の不調があるか)を東洋医学的に見極め、オーダーメイドの鍼灸治療で早期回復をサポートいたします。
喉のつらい痛みや長引く風邪でお悩みでしたら、お気軽に当院にご相談ください。
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