「正座をしようとすると、膝の前や裏が突っ張って痛い…」
「正座をした後、立ち上がる時に激痛が走る…」
正座は、私たち日本人にとって日常的な動作ですが、膝を深く曲げるため、非常に大きな負担がかかります。
病院でレントゲンを撮っても
「関節には異常なし」
と言われたにも関わらず
正座ができないと悩んでいる方は少なくありません。
今回は、正座時の膝の痛みが関節ではなく、
「筋肉や筋膜」の硬さからきている場合のメカニズムと
当院で行う鍼灸施術による根本的な改善アプローチを解説します。
【一般的な原因】膝の構造的な問題
まず、正座が困難になる一般的な原因として、以下のような構造的な問題が考えられます。
- 変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう): 加齢や使いすぎにより膝の軟骨がすり減り、骨同士がこすれることで炎症が起き、正座のような深い屈曲動作ができなくなります。これは整形外科での治療が必要です。
- 半月板損傷: 膝関節の中にあるクッション(半月板)が傷つくことで、正座などで膝を曲げた際に挟まり込み、激しい痛みやロッキング(膝が動かなくなる状態)を引き起こすことがあります。
これらの症状が見られる場合は、まず医療機関を受診してください。
当院で多く見られる2つの「筋肉・筋膜」の原因
しかし、レントゲンで異常がない場合や、痛みが筋肉の突っ張り感として現れる場合、
その原因は関節ではなく、膝の周りの軟部組織(筋肉・筋膜)にある可能性が非常に高いです。
原因① 太ももの前面の「筋膜の硬さ」による突っ張り
正座は、太ももの前にある大きな筋肉、**大腿四頭筋(だいたいしとうきん)**を最大限に引き伸ばす動作です。
- メカニズム: 日常的な運動不足や長時間のデスクワークなどにより、この大腿四頭筋やその周囲の筋膜が硬く凝り固まっていると、正座で膝を深く曲げた際に、筋膜が限界以上に引き伸ばされて激しい突っ張りや痛みを感じます。
- 症状: 膝のお皿(膝蓋骨)の上側や太もも前側に強い圧迫感や痛みを感じることが多いです。
原因② 膝裏の筋肉の「圧迫」による痛み
膝を深く曲げると、膝裏の皮膚や筋肉(ハムストリングス、膝窩筋など)が強く折りたたまれ、圧迫されます。
- メカニズム: 元々、膝裏の筋肉や腱が硬いと、正座によってそれらが強く押しつぶされ、痛みや神経の圧迫感として認識されます。特に**膝窩筋(しつかきん)**という小さな筋肉は、膝関節の動きに重要ですが、硬くなると正座で強い不快感を生じさせます。
- 症状: 正座中や、正座から立ち上がった直後に痛みや違和感、しびれのような感覚を感じることがあります。
鍼灸治療:硬くなった筋膜・筋肉を根本から柔らかく
当院では、この「筋膜の硬さ」や「筋肉の圧迫」による正座時の膝の痛みに対し、根本的な改善を目指します。
アプローチ① 太もも前面の筋膜リリース
硬くなった太もも前面の筋膜を柔らかくし、膝の可動域を回復させます。
- 鍼(はり): 緊張が強い部位の筋肉の深部に直接アプローチし、硬直した筋繊維や筋膜の癒着を緩めます。血流が一気に改善し、筋膜の伸縮性が回復します。
- 筋膜調整: 手技や専門器具を使い、固まった筋膜層を剥がすようにストレッチし、膝を曲げたときの**「突っ張り」を軽減**します。
アプローチ② 膝裏の圧迫と緊張の解除
膝裏の筋肉の過緊張を解除し、圧迫による痛みを軽減します。
- 鍼(はり): 膝裏の膝窩筋やハムストリングスの付着部など、指では届きにくい深部の緊張にピンポイントでアプローチし、硬さを解放します。これにより、正座時の筋肉の折りたたみによる圧迫痛を和らげます。
まとめとセルフケア
正座時の膝の痛みは、長年の姿勢や運動習慣によって徐々に積み重なった筋肉や筋膜の硬さが原因であることが多々あります。
「もう年だから仕方ない」と諦めずに、筋肉・筋膜からのアプローチを試してみませんか?
【自宅でできるセルフケア】
太ももの前側を伸ばすストレッチや、膝裏を軽くマッサージして血流を促すだけでも、痛みが軽減する場合があります。
無理のない範囲で継続してみましょう。
長引く正座の痛みでお悩みの方は、伊東市の当院までお気軽にご相談ください。
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