「肩をどんなに強く揉んでも、首の付け根や肩甲骨の奥の痛みがまったく消えない…」
「肩こりがひどくなると、手の先にまでジーンとしびれが走る気がする…」
慢性的に続く重度の肩こりの背景には、前回ご紹介した「横隔膜」の他にも首の骨(頚椎)や神経の不調が原因となっているケースが多くあります。
特に、マッサージや湿布が効かない難治性の肩こりは、頚椎症からくる「関連痛」である可能性を疑う必要があります。
城ヶ崎さくら並木の鍼灸院では、神経の興奮や炎症が原因で起こる肩の痛みに対し、科学的な知見に基づいた鍼灸治療を提供しています。
1. 痛みの真実:肩こりが「首の関節」から発生するメカニズム
私たちの首の骨(頚椎)は、7つの椎骨から成り立っており、それぞれの椎骨の後ろ側には椎間関節という小さな関節があります。
この椎間関節や、そこから出る神経の根元(神経根)が不調になると、離れた場所に痛みを感じます。これが関連痛です。
メカニズム①:椎間関節からの疼痛拡散
- 椎間関節とは: 首を動かすたびに滑らかに動く小さな関節です。姿勢の悪化や加齢によって、この関節に炎症や変形が起こると痛みが生じます。
- 関連痛の発生: 椎間関節の痛みは、その場所だけでなく、神経経路を通じて肩甲骨の内側や肩の深い部分にまで広がる性質があります。
- 論拠:Grubbらの研究が示す関連痛領域: 痛みの研究者Grubbらが椎間関節に造影剤や刺激物を注入した実験では、第5頚椎〜第7頚椎の椎間関節の不調が、首の付け根から肩、肩甲骨の周りにかけての重い痛みとして拡散することが明確に示されています。(出典:Grubb, S. A., et al. Pain, 1999) つまり、肩の筋肉を揉んでも、痛みの発生源である椎間関節にアプローチできなければ、根本解決には至らないのです。
メカニズム②:神経根の圧迫(頚椎症性神経根症)
- 神経根の不調: 頚椎が変形したり、椎間板が突出したりすることで、脊髄から枝分かれする神経根が圧迫されます。
- 重度の肩こり様症状: 神経根が圧迫されると、単なる筋肉のコリとは違うしびれや鋭い痛みが、肩・腕・手にかけて現れます。初期段階では、この神経の炎症が、まるで重度の肩こりのように感じられることも多いです。
2. 鍼灸治療が「関連痛」に強い理由
頚椎由来の関連痛は、炎症を起こした神経や関節の過敏性を鎮めることが重要です。鍼灸は、この神経の興奮を直接鎮静化させるアプローチに優れています。
✅ アプローチ①:痛みの原因となる神経の興奮を鎮静化
- 目的: 炎症や圧迫で過敏になった神経根や椎間関節周囲の興奮を鎮める。
- 方法: 痛みの関連領域にあるツボや、自律神経の働きを介して鎮痛効果を高めるツボ(経穴)に鍼を施します。
- 効果: 鍼刺激が脳の内因性オピオイド(エンドルフィンなど)の分泌を促し、神経の過剰な伝達を抑制します。これにより、関節や神経から発せられる異常な痛みの信号を和らげることができます。
✅ アプローチ②:周囲の筋肉の緊張を解除し、神経の逃げ道を作る
- 目的: 圧迫された神経根周辺の不必要な筋肉の緊張を解除し、神経への負担を軽減する。
- 方法: 首から肩甲骨にかけての深層筋(前回の斜角筋なども含め)を特定し、鍼で緩めます。
- 効果: 筋肉が緩むことで、神経が通るスペースが広がり、神経圧迫の軽減に繋がります。また、鍼治療による血流改善で、神経周囲の炎症物質の代謝も促されます。
3. ご予約・お問い合わせ
マッサージで治らない肩こりを放置すると、痛みの原因である頚椎の不調が悪化し、手のしびれや腕の脱力といった重い症状に進行する可能性があります。
あなたの肩こりが「首の関連痛」によるものだと感じたら、ぜひ一度当院にご相談ください。
専門的な鍼灸アプローチで、痛みの根本原因に迫ります。
城ヶ崎さくら並木の鍼灸院
- 住所: 〒413-0231 静岡県伊東市富戸908-111 セルティア城ケ崎105
- 電話番号: 0557-51-3663
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