「お尻から足にかけて痛い」
「しびれが取れない」
「歩くとズキッとする」
そんなつらい坐骨神経痛は、生活の質を大きく下げてしまいます。
結論からお伝えすると——
✔ 筋肉の緊張・姿勢の乱れ・軽度の神経圧迫が原因の坐骨神経痛は、鍼灸で改善が期待できます。
しかし、
❗ 椎間板ヘルニアの重度圧迫や高度の脊柱管狭窄症など、鍼灸だけでは改善が難しいケースもあります。
この記事では、
・坐骨神経痛の鍼灸で治るもの・治りにくいもの
・原因
・施術ポイント
・改善までの回数
・再発予防の姿勢改善
・代表的な改善パターン
をわかりやすく解説します。
鍼灸で改善しやすい坐骨神経痛(治せる可能性が高いもの)
以下に当てはまる場合、鍼灸で改善しやすい傾向があります。
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お尻の筋肉(梨状筋・中臀筋)が固く緊張している
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長時間座る、立つ姿勢が多い
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反り腰・猫背など姿勢の乱れがある
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椎間板ヘルニアが軽度で安静時の激痛は少ない
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足のしびれが軽度〜中程度
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坐骨神経の走行上の「張り・重だるさ」が強い
👉 筋肉性・機能性の坐骨神経痛は鍼灸の適応が非常に高いです。
鍼灸だけでは改善が難しい坐骨神経痛(医療との併行が必要なもの)
以下の場合、まずは医療機関で評価が必要です。
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重度の椎間板ヘルニア(排尿障害・筋力低下)
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高度の脊柱管狭窄症で歩行に制限がある
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坐骨神経痛とともに重度の麻痺がある
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進行性の筋力低下
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発熱や体重減少を伴う場合(感染・腫瘍の可能性)
ただし、痛みや筋緊張の軽減目的で鍼灸を併用すると、
手術回避や症状の安定につながるケースもあります。
坐骨神経痛の主な原因
坐骨神経痛にはさまざまな原因がありますが、大きく分けると以下の5つです。
① お尻の筋肉の過緊張(梨状筋症候群)
坐骨神経のすぐ近くを通る梨状筋が固くなると、神経が圧迫されて痛みが出ます。
② 中臀筋・小臀筋のトリガーポイント
股関節の安定に関係する筋肉。ここが硬いと坐骨神経に関連痛が出やすい。
③ 腰椎の軽度の神経圧迫(椎間板の膨隆など)
軽度のヘルニアや姿勢の崩れで圧迫が起きる。
④ 姿勢不良(猫背・反り腰・骨盤の傾き)
神経の走行上に負担がかかり痛みやしびれが起こる。
⑤ 血流不足・筋膜の癒着
血流が悪いと神経が敏感になり、痛みの回復も遅れる。
坐骨神経痛に対する鍼灸の施術ポイント
当院の施術は、原因ごとに次のポイントを押さえています。
✔ ① 梨状筋・中臀筋を中心とした深部筋へのアプローチ
神経圧迫を最も起こしやすい部位を徹底的に緩める。
✔ ② 腰部の筋緊張(脊柱起立筋・腰方形筋)の調整
腰からの負担を軽減し、痛みの再発を防ぐ。
✔ ③ 下肢の血流改善
しびれの軽減には血流確保が重要。
✔ ④ 骨盤・脊柱のバランス改善
骨格の偏りが取れることで根本改善へ。
✔ ⑤ 痛みの状態に合わせて刺激量を調整
急性期は優しい刺激、慢性は深い筋緊張にアプローチ。
改善までに必要な鍼灸施術回数は?
🔵 ① 症状改善まで(痛み・しびれ軽減)
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週1回
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3〜6回で痛みが軽減する方が多い
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長期にわたる慢性症状は 6〜10回
🔵 ② 痛みが減ってからの「姿勢改善」期間
坐骨神経痛は 姿勢の乱れが最大の再発原因 です。
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週1回
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3〜6回で反り腰・猫背が改善しやすい
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全体では 6〜16回が平均
どのように改善する?代表的な回復パターン
① お尻の深部の張りが軽くなる
→ 梨状筋の緊張が緩む
② 足のしびれが薄くなる・範囲が狭くなる
→ 神経の滑走性が改善
③ 歩行がスムーズになる
→ 下肢のバランスが整う
④ 長時間座っても痛みが出にくくなる
→ 深部筋と血流が改善
⑤ 姿勢が整い、再発しにくい身体へ
→ 骨盤・腰椎の安定
まとめ|坐骨神経痛は鍼灸で改善が期待できる
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筋緊張型・姿勢由来の坐骨神経痛は鍼灸の得意分野
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重度の神経圧迫や麻痺がある場合は医療機関と併行
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改善には 3〜6回、再発防止には 6〜16回が目安
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姿勢改善まで行うと長期的な安定につながる