手術は成功したのに、なぜ痛みやしびれが残るの?

「手術はうまくいったと言われたのに、痛みやしびれがまだ残っている…」

こんな不安をお持ちじゃないですか?

実はこのようなお悩みを持つ方は、少なくありません。

まずお伝えしたいのは、

それは“珍しいこと”でも、“失敗”でもない

ということです。

手術は「悪くなっている部分を取り除く・整える」ことが目的ですが


身体や神経が元の状態に戻るには、別のプロセスが必要な場合があります。


手術後も症状が残る主な理由

① 神経の回復には「時間」がかかる

しびれや痛みの原因になっていた神経は


手術前に長い間、圧迫や負担を受けていたことが多くあります。

その場合、

  • 圧迫は取れている

  • でも神経はまだ回復途中

という状態が起こります。

神経は血管や皮膚よりも回復がゆっくりな組織です。


数か月〜1年以上かかることも珍しくありません。


② 痛みを「覚えてしまった」状態が続いている

痛みが長期間続くと、脳や神経は


**「この動き=痛い」**

と記憶してしまいます。

すると、

  • 原因が取り除かれても

  • 実際には危険がなくても

痛みや違和感が出ることがあります。

これは気のせいではなく、神経の働き方の問題です。


③ 筋肉や関節の動きが硬くなっている

手術の前後では、どうしても

  • 動かさない期間

  • かばう動き

が増えます。

その結果、

  • 筋肉が硬くなる

  • 関節の動きが悪くなる

  • 神経の通り道が狭くなる

といったことが起こり


動かした時の痛みやしびれにつながることがあります。


④ 体の使い方のクセが残っている

痛みがあった期間が長いほど


体は「痛くない動き方」を覚えます。

例えば、

  • 腰ではなく背中だけで動く

  • 肩を動かさず首で代償する

といったクセが残ると、手術後も別の場所に負担がかかり、症状が続きます。


⑤ 生活動作が回復を邪魔していることも

リハビリでは調子が良くても、

  • 仕事

  • 家事

  • スマホやパソコン

といった日常生活の中で


知らず知らずのうちに負担がかかっていることがあります。


リハビリ(理学療法・作業療法)の役割

手術後の理学療法や作業療法、つまりリハビリでは、

  • 関節や筋肉の動き

  • 体の使い方

  • 日常動作

を整えながら、

「正しく動ける体」に戻していくことを目指します。

ただし、
神経の過敏さや深い筋緊張が強い場合、
それだけでは症状が取り切れないこともあります。


そこで鍼灸が役立つケースが出てきます

鍼灸は、

  • 過敏になった神経の興奮を落ち着かせる

  • 深部の筋緊張をゆるめる

  • 血流を改善する

といった作用が期待できます。

特に、

  • 「画像では問題ないのに痛い」

  • 「リハビリをしても違和感が残る」

といった術後症状では、

回復の後押しになることがあります。


大切なのは「治っていく順番」を知ること

手術後の回復は、

  1. 悪化を止める

  2. 痛みが軽くなる

  3. 動きや感覚が戻る

という段階的な経過をたどります。

「まだ症状がある=治らない」ではありません。

不安になるとは思いますが、鍼灸師やリハビリのスタッフが精いっぱいフォローします、ご安心ください。


まとめ

手術が成功しても、痛みやしびれが残る理由は

  • 神経の回復途中

  • 動きや感覚の再学習不足

  • 生活の中の負担

など、複数の要因が重なっていることがほとんどです。

適切なケアを続けることで、
少しずつ改善していく可能性は十分にあります。

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