「口を開けると痛い」
「顎がカクカク鳴る」
「朝起きると顎がだるい」
このようなお悩みで来院される方は少なくありません。
これらは顎関節症と呼ばれる状態で、多くの場合、鍼灸と徒手療法の組み合わせによって改善が期待できます。
本記事では、
- 顎関節症がなぜ起こるのか
- 鍼灸と徒手療法で改善していくメカニズム
- 改善していく典型的なパターン
- 治療頻度・回数の目安
を、患者様向けにわかりやすく解説します。
顎関節症とは?
顎関節症とは、顎の関節やその周囲の筋肉に負担がかかり、痛みや動かしにくさが出ている状態の総称です。
レントゲンやMRIで大きな異常が見つからないケースも多く、
- 咬筋・側頭筋などの筋肉の緊張
- 食いしばり・歯ぎしり
- 姿勢不良(首・肩の緊張)
- ストレスや睡眠の質の低下
といった機能的な問題が重なって起こることが大半です。
鍼灸と徒手療法で改善する理由
1. 痛みを感じにくくする働き(神経の調整)
鍼灸刺激は、体に備わっている痛みを抑える仕組みを活性化します。その結果、
- 顎の痛みが和らぐ
- 「怖くて動かせない」という防御反応が減る
といった変化が起こります。痛みが下がることで、顎や首が自然に動かしやすくなります。
2. 緊張した筋肉をゆるめる
顎関節症では、
- 咬筋(エラの筋肉)
- 側頭筋(こめかみ)
- 首や肩の筋肉
が強く緊張していることがほとんどです。
鍼灸は、筋肉の血流を改善し、硬くなった部分を内側からゆるめる作用があります。さらに徒手療法で筋肉や筋膜を調整することで、
「筋肉のこわばり → 痛み → さらに力が入る」
という悪循環を断ち切ることができます。
3. 顎の関節がスムーズに動く環境を作る
徒手療法では、顎の関節そのものだけでなく、
- 顎関節を包む組織
- 顎の動きに関係する首・肩・背中
まで含めて調整します。
これにより、関節にかかる負担が減り、
- 口が開けやすくなる
- 引っかかる感じが減る
- カクッという音が出にくくなる
といった変化が現れてきます。
改善していく典型的なパターン
筋肉の緊張が主なタイプ
- 初回〜数回:痛みやだるさが軽くなる
- 2〜4週間:口の開けやすさが改善
- 1〜2か月:日常生活で気にならなくなる
比較的改善が早い傾向があります。
関節の動きが関係するタイプ(カクカク音など)
- まず痛みが軽減
- 次に動かしやすさが改善
- 音は徐々に減る、または条件付きでのみ出る
※音が完全に消えなくても、痛みや機能が改善すれば日常生活に支障はありません。
慢性化しているタイプ(数か月以上)
- 睡眠や首・肩の緊張が先に改善
- その後、顎の症状が安定
- 再発しにくい状態へ
時間はかかりますが、段階的に良くなっていくケースが多いです。
治療頻度と回数の目安
症状の程度によりますが、一般的な目安は以下の通りです。
軽〜中等度の顎関節症
- 週1回 × 2〜4回
- その後、2週に1回 × 数回
👉 合計4〜8回程度
痛みや開口制限が強い場合
- 最初の1〜2週間:週1〜2回
- 改善後:間隔を空けて調整
👉 合計8〜12回程度
※状態や生活習慣によって前後しますが、毎日通わないと治らないということはほとんどありません。
再発を防ぐために大切なこと
施術とあわせて、以下を意識すると改善が安定します。
- 日中の食いしばりをやめる(歯と歯を離す)
- 硬い物・長時間のガムを控える
- 首・肩を冷やさない
- 睡眠をしっかり取る
当院では、患者様の生活に合わせた無理のないセルフケアもお伝えしています。
まとめ
顎関節症は、
- 鍼灸で痛みと筋緊張を和らげ
- 徒手療法で動きを整え
- 生活習慣を見直す
ことで、多くの場合改善が期待できます。
「病院では異常がないと言われたけれど、つらさが残っている」「薬に頼らず改善したい」という方は、一度ご相談ください。
顎だけでなく、首・肩・全身のバランスを含めてサポートいたします。