「鍼灸=スピリチュアル」と感じる人がいる理由
鍼灸院の中には、
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エネルギー
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気の流れ
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波動
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チャクラ
などを前面に出して説明する施術者もいます。
一方で、
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神経
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筋膜
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脳の反応
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痛みの伝達
といった医学的な説明を中心にする施術者もいます。
同じ鍼灸なのに、なぜここまで表現が分かれるのでしょうか。
理由① 鍼灸の起源が「目に見えない概念」を扱う医学だから
鍼灸は古くから、
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経絡
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気血
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陰陽
といった概念を用いて発展してきました。
これは当時の医学として合理的な体系でしたが、
現代の科学用語では直接測定できない部分もあります。
そのため、
身体反応を“エネルギー現象”として説明する文化
が現在も残っています。
理由② 原因不明の症状を抱える患者が多い
鍼灸院に来院する方の多くは、
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検査では異常なし
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でも痛い
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しびれる
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慢性的につらい
という状態です。
このとき患者は、
「医学的な正確さ」だけでなく
「自分の状態が理解された」という納得感を求めやすくなります。
スピリチュアル的な説明は、
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心と身体をつなげて説明できる
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個別性を感じやすい
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不安を意味づけできる
ため、受け入れられやすくなります。
理由③ マーケティングとして差別化しやすい
鍼灸院は全国に多数存在し、
その上、整骨院や無資格クイックマッサージ整体まで考えれば
「肩こり」「腰痛」だけでは差別化が難しい市場です。
その中で、
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世界観
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ストーリー
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施術の思想
を明確に打ち出すことで、
院の個性が伝わりやすくなります。
スピリチュアル要素は、
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印象に残る
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共感を得やすい
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記憶されやすい
という特徴があり、
ブランディング上は強く働きます。
理由④ 科学で完全に説明しきれない症状が存在する
慢性痛や自律神経症状は、
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神経
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免疫
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心理
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生活習慣
が複雑に絡みます。
現在の医学でも、
「なぜこの人だけ強く痛むのか」
「なぜ検査で異常がないのか」
を完全には説明できません。
この“説明の余白”に対して、
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概念モデル
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感覚的表現
が使われることがあります。
理由⑤ 施術者自身の臨床体験の影響
臨床では、
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説明がつかない改善
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数値に表れない変化
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急激な回復
を経験することがあります。
施術者はその経験をもとに、
「この考え方が本質だ」
と確信していきます。
これが思想の違いを生みます。
科学的な鍼灸との違い
現在の研究では、鍼灸は
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末梢神経刺激
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脳の痛み抑制機構
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血流変化
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自律神経調整
などで説明されています。
つまり、
スピリチュアルと科学は「対立」ではなく、
説明の言語が異なるだけとも言えます。
注意すべきポイント
問題になるのは、
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再現性がない
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医療を否定する
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不安を煽る
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根拠の検証を拒否する
場合です。
ここを超えると治療ではなく「信念体系」になります。
患者が選んでいるのは「納得できる説明」
施術効果には、
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身体反応
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安心感
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納得
が大きく関係します。
そのため患者は、
自分が理解できる言葉で説明してくれる施術者
を自然に選びます。
まとめ
鍼灸師がスピリチュアル性を打ち出す理由は、
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鍼灸の歴史
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原因不明症状の多さ
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マーケティング構造
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科学の説明の限界
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臨床体験
が重なって生まれた現象です。
重要なのは、
どちらが正しいかではなく、
患者にとって納得できる説明があるかどうかです。