こんにちは、伊東市鍼灸専門・城ケ崎さくら並木の鍼灸院の増田です。
「交通事故の後から頭痛やめまい、耳鳴りが続く…」
「病院では異常なしと言われたけど、つらい状態が治らない…」
そんな症状に悩まされている方が抱えている可能性があるのが、
バレ・リュー症候群(Barre-Lieou症候群)
です。
交通事故、特にむち打ち症の後遺症として現れやすい神経性の症状で、
多くの方が「はっきりとした原因がわからない不調」に悩まされています。
今回は、このバレ・リュー症候群に対して鍼灸がどのように役立つか、
その作用メカニズムや施術のタイミングについて詳しく解説します。
本記事は、はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師である増田真太郎が執筆しました。

Q.バレ・リュー症候群とは?
A.自律神経が関わる「むち打ちの後遺症」
バレ・リュー症候群とは、頚椎(首の骨)のゆがみや緊張が原因で、
首周辺の交感神経が過剰に興奮することによって起こる症候群
です。
とくに交通事故などで頚部に衝撃を受けた後に発症しやすいのが特徴です。
主な症状
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頭痛(特に後頭部や側頭部の締めつけ感)
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めまい・ふらつき
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耳鳴り・耳の閉塞感
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眼精疲労・視力低下のような感覚
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首や肩のコリ・痛み
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倦怠感・集中力の低下
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不安感・イライラ・動悸
これらの症状は病院で検査しても異常が見つからないことも多く、
長期化しやすいため、精神的な負担も大きくなりがちです。
鍼灸はバレ・リュー症候群にどう作用する?
①自律神経のバランスを整える
バレ・リュー症候群では交感神経が過剰に緊張しているため
鍼灸で副交感神経を優位に導くことで神経のバランスを調整できます。
ツボ刺激によって神経系に穏やかにアプローチし、心身の緊張を解きほぐします。
②首・肩周辺の筋緊張を緩和
交通事故の衝撃で固くなった筋肉や腱をやさしくゆるめ、
血流の改善や筋肉の柔軟性を取り戻すサポートをします。
これにより首まわりの違和感や頭痛、めまいなどの症状が軽減をはかります。
➂頭部・耳の症状への間接的アプローチ
一部の耳鳴りや眼精疲労などの不定愁訴にも鍼灸は有効とされており、
神経の興奮を抑え、自然治癒力を引き出す療法として活用されています。

医療との併用が基本!鍼灸は補完療法
バレ・リュー症候群は医学的なリハビリや経過観察が不可欠であり、
鍼灸はその補助として利用するのが望ましいです。
病院では対処が難しい慢性的な症状に対して、
鍼灸が「体質改善」や「自然治癒力のサポート」として役立つ可能性があります。
鍼灸を受けるタイミングと通院の目安
■ 施術を始めるタイミング
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事故直後(急性期):炎症や外傷がある場合は避ける
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発症から数週間〜数か月(亜急性期〜慢性期):鍼灸が効果を発揮しやすいタイミング
※医師の診断を受け、許可を得たうえで鍼灸院へ相談するのが安全です。
■ 施術頻度・期間の目安
状態 | 頻度 | 期間の目安 |
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症状が強く出ている時期 | 週1〜2回 | 1〜2か月 |
改善が見られ始めたら | 週1回 | 3か月〜半年 |
維持・再発予防目的 | 月1回程度 | 継続推奨 |
※個人差が大きいため、体調や症状の変化に合わせて調整が必要です。
鍼灸を受ける際の注意点
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国家資格を持つ鍼灸師に施術してもらいましょう
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事故による後遺症の場合、保険会社への相談や整形外科との連携も重要です
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医師の治療やリハビリを中断せず、鍼灸はあくまで「補助的な位置づけ」として取り入れることが理想です
まとめ|バレ・リュー症候群に悩む方へ
交通事故後の不調がなかなか改善しない場合、
「気のせい」と済ませずに、
バレ・リュー症候群の可能性を疑ってみることが大切です。
西洋医学では解決しきれない部分に対して
鍼灸は神経や血流のバランスを自然に整えるアプローチとして期待できます。
慢性的な不快感に悩む方は、ぜひ一度、信頼できる鍼灸院に相談してみてください。
心身のバランスを取り戻すきっかけになるかもしれません。