■ こんな症状、ありませんか?
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太ももの外側が ピリピリ・ヒリヒリ する
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ズボンや布団が触れると 不快感・しびれ がある
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でも、痛みやしびれの範囲が狭くて、病院で「異常なし」と言われた
こうした症状が長引いている場合、
「大腿外側皮神経痛(LFCN障害)」
という神経のトラブルかもしれません。
■ 大腿外側皮神経痛(たいたいがいそくひしんけいつう)とは?
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太ももの外側にある感覚専門の末梢神経「外側大腿皮神経(LFCN)」が、股関節付近で締め付けられたり圧迫されたりして、感覚異常が起こる病気です。
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痛み・しびれ・ヒリヒリ感などの異常知覚が特徴です。
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一般的に運動機能には影響せず、感覚異常だけが起こるのがポイントです。
■ 原因になりやすい要素
原因要素 | 説明 |
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きついズボンやベルト | 神経が通る鼠径靭帯の近くで圧迫される |
長時間の立位・歩行 | 神経の走行部でのストレス蓄積 |
妊娠・体重増加 | 骨盤周囲の組織圧力が上がる |
手術後(股関節など) | 神経周囲の瘢痕や癒着 |
■ 病院での治療は?
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ビタミンB12(メチコバール)や鎮痛薬の内服
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神経ブロック注射などが試されます。
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ただし、「感覚神経のみ」の障害で画像に写らないことが多く、診断も治療も曖昧になりやすいのが現実です。
■ 鍼灸での対応:根本改善を目指す
鍼灸では、単なる「痛みの緩和」ではなく、
神経そのものの回復・絞扼部の環境改善
を目指します。
🔸治療方針の例:
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神経の走行を考慮した刺鍼と低周波通電(鍼通電療法)
→ LFCNが圧迫される部位(鼠径部〜大腿前外側)を中心に、通電で神経の再生を促進します。 -
周囲筋・靭帯の緊張緩和
→ 圧迫している筋や靭帯の緊張をゆるめることで、物理的なストレスを軽減 -
自律神経調整(交感神経の過興奮を抑える)
→ 長く続いたしびれは、神経の過敏状態が背景にあることも多く、全身調整も重要です。
■ 症例紹介(40代・男性/事務職)
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症状:右太ももの外側に2ヶ月間続くヒリヒリ感。ズボンが触れると特に不快。
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治療:週1回、鼠径部と大腿部への鍼通電+腰部の筋緊張緩和
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経過:
治療回数 | 症状の変化 |
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初回 | 着衣で常にヒリヒリ |
2回目 | 日中の不快感が半分に減少 |
4回目 | 着衣時の不快感はほぼ消失 |
5回目 | 「気にならないレベル」に到達 |
■ 研究報告からの裏づけ
📘 文献:Zhou W. et al. (2020)
「Meralgia Paresthetica(大腿外側皮神経痛)に対する鍼通電療法の臨床的有用性」
✅ 患者20名に対して週2回、8回の鍼通電を実施
✅ VASスコアが平均62%減少、治療満足度も高い
🔍 日本語要約:
鍼通電は、LFCNの再生や神経過敏の沈静に有効な手段であることが報告されています。
■ まとめ
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大腿外側皮神経痛は「小さな神経のトラブル」ですが、生活の質を大きく下げる原因になります。
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鍼灸は、神経圧迫の緩和と神経の再生をサポートし、薬だけでは届かない根本的な回復を後押しします。
■お悩みの方へ
「このしびれ、どこに行けばいいのかわからなかった」
「病院では様子見ばかりで困っていた」
そんな方にこそ、鍼灸という選択肢があることをお伝えしたいと思います。
どうぞお気軽にご相談ください。