「この痛み、先生の施術で必ず治りますか?」
ご予約の電話上で、この質問をいただくことがあります。
私たちは、患者様のつらい症状を一刻も早く改善したいと心から願っていますが、誠に申し訳ありませんが、
「必ず治ります」と断言することはできません。
それは、私たちが無責任であるからではなく、
法律や医療の科学的なルールを遵守し、
正直な姿勢であなたの身体に向き合いたいと考えているからです。
今回は、鍼灸師が「必ず治します」と言えない法的・科学的な背景と
私たちが考える「治療のゴール」についてお話しします。
1. 医師法との線引き:「治す」という言葉の重み
鍼灸師(あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師)は、国家資格を持った医療の専門家ですが、医師(ドクター)ではありません。
- 医師は、医師法に基づき、病気の「診断」と「治療(投薬、手術など)」を行い、「病気を治す」という行為を許されています。
- 一方、鍼灸師は、**あはき法(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律)**に基づき、「治療」ではなく「施術」を提供し、身体の不調を改善し、健康を増進することを役割としています。
この法律の観点から、私たちは**「病気を治す」**という、診断と密接に関わる言葉を安易に使用することを避けています。
これは、それぞれの専門家の役割を明確に区別し、患者様に誤解を与えないためのルールです。
2. 科学的なエビデンス(根拠)構築の難しさ
現代医療では、**「二重盲検比較試験」**といった厳密な統計学的側面から効果を証明する「エビデンス(科学的根拠)」が非常に重要視されます。
しかし、鍼灸治療は、以下のような特性を持つため、エビデンスを構築することが難しい側面があります。
- 個別性が高い: 患者様の体質や症状は一人ひとり異なります。西洋医学のように「同じ薬を飲めば同じ効果が出る」という統計的なデータを取りにくいオーダーメイドの治療になってしまいます。
- 比較対象が困難: 鍼治療の効果を測るために、比較対象として「偽の鍼(ダミーの鍼)」を使っても、「皮膚に触れた」というだけでも身体に変化が起こることがあるため、純粋な効果を切り分けることが困難です。
このように、科学的な証明が難しいという側面があるため、
「必ず治る」と断言できるだけの客観的な統計データが不足していることも、鍼灸師が正直でいる理由の一つです。
3. 私たちが目指す「治る」のゴール
私たちが患者様にお約束できるのは、「必ず治します」という結果の断言ではなく、**「あなたの身体が持つ治癒力を最大限に引き出すために、最善を尽くします」**ということです。
鍼灸治療の真のゴールは、「自然治癒力」のサポートです。
- 血流の改善: 血液の流れを良くし、細胞に栄養と酸素を届けます。
- 自律神経の調整: 乱れた神経のバランスを整え、身体が回復しやすい状態(リラックスした状態)へ導きます。
- 痛みの緩和: 身体が持つ鎮痛物質を分泌させ、つらい痛みを和らげます。
私たちは、あなたの身体が持つ「治る力」を信じて、その力が最大限に発揮されるようにサポートする**「伴走者」**です。
あなたの症状を改善するため、法的な責任と科学的な視点を踏まえ、誠実に向き合っていくことをお約束します。
伊東市で身体の不調にお悩みでしたら、ぜひ一度、ご相談ください。
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