また鍼灸師なのにぎっくり腰になっちゃった!改めてぎっくり腰について解説します

「ギクッときて動けない…」

 

これは腰痛経験者にとって、最も恐ろしい悲鳴の一つです。

 

そして先日、私自身がその「ギクッ」に見舞われてしまいました。

 

前回は素早く治しすぎたので今回は患者様のきもちになろうと、あえて何もしないで様子をみています。

 

前回の報告はこちら

 

施術者が昨日ギックリ腰になり、すぐになおした話

 

 

今回は私、城ヶ崎さくら並木の鍼灸院の院長が身をもって体験した

 

「ぎっくり腰(急性腰痛症)」のリアルな経過と

 

そこから見えてくる医学的な原因、そしてプロの鍼灸師が考える治し方について解説します。

 


1. 鍼灸師もなった!私のぎっくり腰発症レポート

【発症の経緯と自己診断】

 

  1. 発症の引き金: 負荷をかけた運動の翌日、疲労が残った状態でくしゃみをした瞬間。
  2. 痛みの特徴:
    • くしゃみや咳で、腰の奥深くに鋭い激痛が走る。
    • 座っている状態から立ち上がる際に、腰の前面(腹側)から引っ張られるような強い痛み。
    • 前かがみになるよりも、腰を伸ばす動作や反らす動作で痛みが増す。
  3. 自己診断: これらの症状から、腰椎の奥深くにあり、股関節を曲げる役割を持つ「大腰筋(だいようきん)」や、その周囲の筋膜を損傷した可能性が高いと自己診断しました。

【プロの選択:「治しすぎない」経過観察】

 

 

幸い、仕事(鍼灸施術)を行う分には問題ない程度の痛みで収まりました。

 

実は、前回のぎっくり腰の際(上記のブログ参照)私はすぐに鍼を打って問題ない状態にしてしまいました。

 

しかし、あまりにも早く痛みに対処したので

 

「ギックリ腰で悩んでいる方の気持ちを理解できてないのではないか?」

 

という反省が残りました。

 

 

そこで今回はあえて積極的な施術は行わず、炎症が治まるまでの初期段階を

 

「日常生活で痛くない範囲の動作とセルフケア」

 

で経過観察することを選びました。

 

 


2. ぎっくり腰の原因のほとんどは「筋肉・関節」の損傷

 

 

「ぎっくり腰」は正式には急性腰痛症といい

 

その多くはレントゲンなどには写らない軟部組織(筋肉、筋膜、靭帯、関節)の損傷です。

 

 

私のように「くしゃみ」といった些細な動作で発症するのは

 

日々の疲労蓄積が背景にあり、突然の負荷がその限界を超えたからです。

 

 

ぎっくり腰の主な原因と考えられている病態は、以下の3つです。

 

 

① 筋・筋膜性腰痛(筋肉・筋膜の損傷)

 

  • 場所: 腰の表面や広背筋などの大きな筋肉。私のように大腰筋などの深部の筋肉の場合もあります。
  • メカニズム: 蓄積疲労で硬くなった筋肉が、急な動作で軽度の肉離れや炎症を起こします。

② 椎間関節捻挫(腰の関節の捻挫)

 

 

  • 場所: 腰の骨(腰椎)の椎骨同士をつなぐ関節(椎間関節)。
  • メカニズム: 腰を反らす、ひねるなどの無理な力が加わり、関節周辺の靭帯や関節包が捻挫し、炎症を起こします。

③ 仙腸関節の機能障害

 

  • 場所: 骨盤の要となる仙骨と腸骨の間の関節。
  • メカニズム: 不安定な姿勢(中腰など)から急に動いた際、関節が**「引っかかり」や「ズレ」**を起こし、強い痛みを引き起こします。

3. プロが教える!ぎっくり腰発症後の正しい治し方

 

【ステップ1:急性期の対応(発症〜72時間)】

 

  • 絶対的な安静はNG: 以前は安静が推奨されましたが、現在は**「動ける範囲で動く」**ことが推奨されています。ただし、動くのが困難な場合は無理をせず、痛みのない姿勢で横になってください。
  • 鍼治療: 私は炎症期でも鍼治療をしますが、施術者によっては炎症期は安静を推奨している場合も多いです。ご自身のポリシーに従うといいでしょう。
  • 専門家への相談: 私のように自分で原因が推定できる場合でも、圧迫骨折椎間板ヘルニアなど重篤な疾患ではないか確認するためにも、整形外科などの医療機関の受診を検討しましょう。

【ステップ2:亜急性期以降の根本改善(発症数日後〜)】

 

 

炎症が落ち着き、激しい痛みが和らいできたら、鍼灸治療などの出番です。

 

 

城ヶ崎さくら並木の鍼灸院では、現代西洋医学的アプローチを主軸に、ぎっくり腰の根本原因を解除します。

 

 

  1. 痛みの原因筋肉への直接アプローチ: ぎっくり腰の原因となっているトリガーポイント(筋膜の硬結)を特定します。今回の私の症状なら大腰筋の損傷を疑ったように、体の奥深くにある痛みの発生源にピンポイントで鍼を施し、筋肉の異常な緊張を速やかに解除します。
  2. 炎症の早期鎮静と治癒力向上: 鍼刺激は、血流を劇的に改善し、損傷部位の炎症物質を速やかに運び去るとともに、自然治癒力を高めます。これは、治しすぎず、体が持つ回復力を最大限に引き出すために非常に重要です。
  3. 再発防止のための姿勢・動作指導: 痛みが治まった後が最も重要です。当院では、東洋医学の「養生」の精神に基づき、ぎっくり腰を繰り返さないよう、姿勢の癖や動作の指導を行い、再発予防を徹底します。

4. まとめ:ぎっくり腰はプロに任せたら早い

何もしないでも2~3週間で痛みがなくなるというレポートが存在する。

 

ぎっくり腰は非常に強い痛みを伴いますが、その多くは適切な対応と時間が経過すれば回復します。

 

プロにまかせればその時間を大幅に短縮できると考えていいでしょう。(最近はプロもどきも多いので注意してくださいね)

 

しかしプロである私は

 

「今回は治しすぎず、自分の体の回復力で様子をみる実験」

 

という選択をしました。

 

 

もし、あなたが

 

「安静にしているだけでは不安」

 

「痛みを早く取りたい」

 

「痛みが引いた後に再発を防ぎたい」

 

とお考えであれば、専門知識を持った当院へご相談ください。

 

ぎっくり腰の状態でも普通に施術しています。

 

城ヶ崎さくら並木の鍼灸院

  • 住所: 〒413-0231 静岡県伊東市富戸908-111 セルティア城ケ崎105
  • 電話番号: 0557-51-3663
  • インターネット予約: [24時間受付中!ご予約はこちら] (https://kenkounihari.seirin.jp/clinic/1195/reserve)
  • 駐車場: 完備しております。


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