オリンピック選手や相撲取りが吸玉(すいだま/カッピング)の跡をつけている姿を見て
「無料だったら私も試してみたい!」
と思われた方は多いのではないでしょうか(当院では追加料金なしです)
そんな吸玉療法は、東洋医学の伝統的な施術法の一つですが
現代の医療においてその効果はどこまで科学的に証明されているのでしょうか?
今回は、腰痛に対する吸玉療法の
**エビデンス(科学的根拠)**
の現状と、
私たち鍼灸師が考える吸玉の役割について、正直にご説明します。
1. 腰痛への吸玉療法の「エビデンス」の現状
結論からお伝えすると、
「吸玉療法が腰痛に極めて有効である」と断言できるほどの、質の高い科学的根拠(エビデンスレベルの高い研究)は、現時点では限定的です。
研究は多数存在するが、質に課題
吸玉療法に関する研究(臨床試験やメタアナリシス)は多数行われています。
その中には、非特異的腰痛(原因を特定できない慢性腰痛)や筋肉痛の緩和に対し、鎮痛効果や症状の改善を示唆する報告も存在します。
しかし、多くの研究が以下のような課題を抱えているため、その結果を強力な科学的根拠とすることは難しいのが現状です。
- 研究規模の小ささ: 症例数が少ない。
- 方法論の難しさ: 施術の強さや方法が一定ではない、偽の治療(プラセボ)を設定することが難しい。
特に外科手術や鍼治療と同じく、偽の治療(プラセボ)を設定しにくいことが足かせになっています。
鍼灸師としての見解
現時点では医療現場で求められる「強いエビデンスはない」という結論になりますが
これは「効果がない」ということとは異なります。
むしろ、東洋医学の伝統や、臨床現場での実感としては、筋肉の緊張緩和や血行促進に対して高い効果を発揮すると考えています。
そうでないと何千年も西洋・東洋問わず続いている療法にはならないですよね・・・
2. 鍼灸院が吸玉療法を施術に取り入れる理由
城ヶ崎さくら並木の鍼灸院では、腰痛治療において吸玉を「メインの治療」ではなく、
**「鍼治療の効果を補完・促進する補助的な治療」**
として活用しています。
吸玉に期待される役割は、主に以下の2点です。
① 筋膜・筋肉の緊張を広範囲に緩和する
鍼治療はピンポイントでトリガーポイント(硬結)を狙うのに長けていますが、吸玉は広範囲の皮膚や筋肉を吸引することで、筋膜をストレッチし、硬直した筋肉の緊張を和らげます。
慢性的な腰痛で、腰全体が岩のように硬くなっている方に対して、鍼を打つ前の「準備段階」として使用したり
鍼治療後に吸玉をして軽く身体を動かしていただく(自称:運動吸玉)は非常に有効です。
② 局所的な「瘀血(おけつ)」を改善し、血行を促進する
東洋医学では、吸玉によって皮膚の表面に現れる赤や紫の反応を
**「瘀血(お血:血の滞り)」**
として捉えます。
この瘀血反応が出た場所は、血流が極度に悪く、疲労物質や痛みの物質が溜まっている状態を示しています。
吸玉で吸引することで、滞っていた血流を強力に促し、新鮮な血液を送り込むことで、筋肉の早期回復を図る役割があります。
3. 吸玉のメリット・デメリットと当院での注意点
| 項目 | メリット(期待できる効果) | デメリット(注意点) |
| 効果 | 筋肉の広範囲な緊張緩和、血行促進、疲労回復、リラックス効果 | 科学的なエビデンスが限定的である |
| 外見 | 皮膚に施術跡(カッピングマーク)が残る(数日~1週間程度で消える) | 肌の弱い方やアトピー性皮膚炎の方は跡が残りやすい |
| 体感 | 負圧による皮膚が吸い上げられる感覚。血流が改善した後の温かさ。 | 吸引時に少しの痛みや皮膚の引っ張られ感がある場合がある |
当院では、患者様の体質や皮膚の状態を確認し、腰痛の原因が筋肉や血流の問題にあると判断した場合にのみ、ご希望に応じて吸玉療法をご提案します。
無理に強い吸引は行わず、リラックスして受けていただけるよう配慮しています。
4. まとめ:あなたの腰痛に最適な治療を
吸玉療法は、伝統的な知恵と経験に基づいており、多くの患者様にご満足いただいている施術です。
当院では、現代西洋医学的な診断思考と東洋医学の伝統を融合させ、鍼、吸玉、お灸など、多様な手法の中から、あなたの腰痛に最も有効なオーダーメイドの治療をご提案します。
「吸玉を受けてみたいけれど、効果があるか不安…」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
城ヶ崎さくら並木の鍼灸院
- 住所: 〒413-0231 静岡県伊東市富戸908-111 セルティア城ケ崎105
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