「股関節が痛くて体重かけられない!鍼で治る?」股関節が体重をかけると痛いのはなぜ?原因と鍼灸での改善について

「立つと股関節がズキッと痛む」

 

「歩くと足の付け根が痛くて体重が乗らない」

 

こうした

 

“荷重時の股関節痛”

 

は、日常生活に大きな支障が出やすい症状です。

 

 

実は、股関節の荷重痛には複数の原因があり、原因によって対処法もまったく変わります。

 

この記事では、鍼灸院の臨床と医療知識にもとづき、患者さんに多い

 

体重をかけると痛い理由”

 

をわかりやすく解説します。

 

 

1. 体重をかけたときに股関節が痛くなる主な原因

 

股関節は体重を支える関節のため、少しの炎症や筋緊張でも痛みが強く出やすい部位です。

 

以下は、実際の臨床でよく見る原因を、頻度の高い順にまとめたものです。

 

 

① 変形性股関節症(初期〜中期)

 

もっとも多い原因のひとつです。

 

股関節の軟骨がすり減り、関節のすき間が狭くなることで、

 

「立つと痛む」「歩くとズキッとくる」 という典型的な荷重痛が出ます。

 

特に初期の段階では、

 

  • 安静時は痛くない
  • 体重をかけた瞬間だけ痛む
  • 歩くほど痛みが増す
    というパターンが多いです。

 

② 中殿筋・小殿筋の腱炎(大転子周囲炎)

 

股関節の外側にある中殿筋・小殿筋は「片脚立ち」で特に使われる筋肉です。

 

ここに炎症が起こると、立ち上がりや歩行時に股関節の横が刺すように痛む ことがあります。

 

特徴

 

 

  • 片脚に体重を乗せると痛む
  • 横向きで寝ると痛い
  • 歩くと股関節外側にズキッ

 

鍼灸で非常に改善しやすい疾患です(1回で治ることを保証しているわけではありません)

③ 腸腰筋の急性スパズム(“ぎっくり股関節”)

 

股関節の前側につく腸腰筋が急に緊張すると、

 

関節を支えられなくなり、体重をかけると前側が強く痛む ことがあります。

 

特徴

 

  • 座った姿勢から立つときが激痛
  • 歩くと腸腰筋がつっぱる
  • 横になると痛みが軽い

 

ぎっくり腰の股関節バージョンのような症状で、これも鍼灸で改善しやすいです。

 

④ 仙腸関節障害(股関節の痛みと感じるタイプ)

 

骨盤後面の仙腸関節がゆるんだり歪んだりすると、

 

股関節前側〜外側に痛みが放散する ことがあります。

 

特徴

 

  • 片足になった瞬間にズキッ
  • 股関節を動かすと意外とスムーズ
  • 痛む場所が股関節〜お尻に広がる

 

実際には仙腸関節なのに、患者さん本人は「股関節が壊れた」と感じやすいのが特徴です。

⑤ 関節唇損傷(ひねった後に激痛が続く)

 

 

股関節の“ガスケット”のような組織である関節唇に傷がつくと

 

荷重+ひねり で強い痛みが出ます。

 

  • スポーツ中のひねり
  • 重いものを持ち上げた時

 

 

などがきっかけになることが多いです。

 

安静時は痛みが軽いのに、ひねりや荷重で鋭く痛むのが特徴です。

⑥ 大腿骨頭壊死(まれだが重要)

 

股関節の骨頭への血流が途絶える病気です。

 

初期は痛みが軽いこともありますが、進行すると

 

「体重がまったく乗らないほどの激痛」 が出ます。

 

特に何もしていないのに突然強い痛みが出た場合は、整形外科での検査が必要です。

 

 

2. 整形外科を受診したほうがよい“危険なサイン”

 

 

以下の症状がある場合は、自己判断せず検査をおすすめします。

 

 

  • 片脚に体重をかけられない
  • 夜中もズキズキして眠れない
  • 何もしていないのに急に強い痛みが出た
  • 発熱や腫れを伴う
  • 数週間たっても改善しない

 

特に、急性の大腿骨頭壊死や骨折は、早期治療が重要です。

 

3. 鍼灸で改善しやすい股関節の痛み

 

以下の原因による股関節痛は、鍼灸との相性がよく、

 

当院でも改善がはっきり見られることが多いです。

◎ 改善しやすい

  • 中殿筋・小殿筋の腱炎
  • 腸腰筋のスパズム
  • 仙腸関節障害
  • 股関節周囲の慢性的な筋緊張

改善のしくみ

鍼灸には

  • 深部筋の緊張をピンポイントで緩める
  • 血流改善
  • 炎症の鎮静
  • 関節の動きの改善
    などの効果があり、荷重時痛の軽減につながります。

## 

4. 当院での改善回数の目安

股関節痛の原因によって回数は変わりますが、臨床データでは次のとおりです。

  • 中殿筋・小殿筋の腱炎:3〜8回
  • 腸腰筋スパズム:1〜5回
  • 仙腸関節障害:3〜7回
  • 変形性股関節症(初期〜中期):5〜12回
  • 関節唇損傷:症状緩和 5〜15回(完全治癒とは異なる)
  • 大腿骨頭壊死:中国では3年・日本では鍼灸適応外(当院でできるが時間がかかる)

※痛みが強い初期は、週2回の施術で改善が早い傾向があります。

5. ご自宅でできるセルフケア

 

● ① 大腿骨頭に負担をかけない立ち方

つま先と膝が内側に入らないように立つだけで、股関節が安定します。

● ② 中殿筋ストレッチ

外側の筋肉が硬いと荷重時痛が悪化しやすいため、軽いストレッチが有効です。

● ③ 温める(急性炎症を除く)

股関節周囲は深部が冷えやすく、血流を促すと痛みが軽くなります。

6. まとめ:荷重時の股関節痛は原因ごとに対処が異なる

 

股関節は体重を支える関節のため、一度痛みが出ると生活に大きなストレスになります。

 

その「痛みの正体」が何なのかを知ることで、最適な施術やセルフケアが見つかります。

 

もし症状が続く場合は、早めに専門家への相談をおすすめします。

 

伊東市で股関節痛にお困りの方は、当院でもサポートできますので、お気軽にご相談ください。

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