「テニスはしていないのに、肘の外側が痛い」
この相談はとても多いです。
実は“テニス肘”という名前は、
テニスが原因という意味ではありません。
肘の外側に負担が積み重なって起こる痛みを、まとめてそう呼びます。
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)って何?
肘の外側には、手首や指を伸ばす筋肉の“付け根”があります。
テニス肘は、この付け根が
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引っ張られ続ける
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小さな傷が増える
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炎症っぽくなる(実際は“治りかけの繰り返し”)
ことで痛みが出る状態です。
こんな動作で痛みませんか?
テニスをしなくても、日常動作で発症します。
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フライパンを持つ
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ペットボトルのフタを開ける
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雑巾を絞る
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キーボード・マウスを長時間使う
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赤ちゃんを抱っこして手首が反る
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買い物袋を指先で持つ
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ドライバー作業(DIY)
痛みの場所が「肘」でも、負担の中心は手首〜指の使い方にあることが多いです。
なぜ治りにくいのか?
テニス肘が長引く理由はシンプルです。
肘を休めているつもりでも、手は毎日使うから。
家事・仕事・育児で
知らないうちに同じ負荷が繰り返されます。
さらに、
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肩甲骨や肩が硬い
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前腕がパンパン
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手首が反りやすい
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握りが強い
などがあると、肘に負担が集中します。
やってはいけない対処
① 痛いところを強く揉む
一時的に気持ちよくても、刺激が強すぎると悪化することがあります。
② いきなり強いストレッチ
「伸ばせば治る」と思って強くやると、付け根がさらに引っ張られます。
③ 痛みを我慢して筋トレ(握る系)
握力トレや懸垂などは、悪化しやすい代表です。
自宅でできる“負担を減らす”コツ
ここが改善の近道です。
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物を持つときは「指先」ではなく「手のひら」で支える
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ペットボトルは手首を反らさず、肘を体に近づける
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マウスは前腕を浮かせず、腕ごと支える
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30〜40分ごとに手首を休ませる
「治す」より前に、まずは
肘が悪くなる動作を減らすことが重要です。
鍼灸では何を狙うのか(当院の考え方)
テニス肘は、痛い場所だけでなく
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前腕の張り
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肩〜肩甲骨の硬さ
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手首の使い方
が関わることが多いです。
当院では
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前腕〜肘外側の緊張を落とす
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肩・肩甲骨の動きを整える
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手首に負担が乗らない体の使い方へ
という順番で、再発しにくい状態を目指します。
回復の目安
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早期:数週間で軽くなることも
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長期化:2〜3ヶ月以上かかることも
「使いながら治す」症状なので、
回復には段階があります。
受診の目安
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物を持つだけで痛い
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3週間以上続いている
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湿布やサポーターでも変わらない
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仕事や家事に支障が出ている
こうした場合は、早めに状態を整理するのがおすすめです。
まとめ
テニス肘は「テニスの人だけ」ではありません。
日常の手首・指の使い方が積み重なって起こります。
大切なのは、
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強く揉まない
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強く伸ばさない
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我慢して握りこまない
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まず負担を減らす
この4つです。